Creator's Letter
こころちゃんとご家族へ
最初にご相談いただいたとき、
「まだ写真が選べるのか、涙で想いが綴れるのか、ちゃんと伝えられるのか不安です。」
そう、お話してくださいましたね。
それでも、こころちゃんとの思い出。
こころちゃんへの想い。
葛藤や後悔。
そして、今まで言葉にできなかった愛情を、何千文字ものメッセージで届けてくださいました。
一つひとつ読ませていただきながら、
きっと胸が張り裂けそうな想いで、触れたくても触れられない寂しさと向き合いながら、お写真を選んでくださったのだろうと感じていました。
その時間を想像するだけで、私も何度も涙があふれました。
だからこそ、
こころちゃんがご家族に残してくれた大切な時間を、映像と音楽という形で未来へ繋ぎたい。
その想いは、制作を進めるたびに、より強くなっていきました。
「幸せになってほしい。」
そんな願いを込めて名付けた"こころ"。
でも、
「幸せにしてもらっていたのは私の方だった。」
今、改めて写真を見返したとき、
たくさんの「ごめんね」が少しずつ「ありがとう」に変わり、
「ああ、ここちゃんも幸せだったのかな。」
そう思っていただけたなら、私はとても嬉しく思います。
「柴犬は厳しくしつけるもの。」
そう信じていた幼い頃のこと。
最後まで残ってしまった後悔。
きっと今まで、ご自身を何度も責めながら、一人で悲しみを抱えてこられたのだと思います。
でも、送っていただいた写真の中のこころちゃんは、どの一枚も本当に幸せそうでした。
病気と向き合っていた時間も。
最後のお散歩も。
ママのお腹の上で眠る姿も。
もちろん、ご家族にしか分からない苦しさや痛みはあったと思います。
それでも、ママに触れているときのこころちゃんは、どこまでも穏やかで、安心しきった表情をしていました。
写真を見ながら何度も思いました。
「こころちゃんも、幸せだったんだ。」
きっと、お二人でひとつ。
そんな関係だったのだろうと、私は感じています。
そして、私には忘れられない場面があります。
こころちゃんがお家の中を力いっぱい駆けていくシーンです。
あの場面だけは、どうしても足音を消したくありませんでした。
ダダダダダッ――。
その音を聞いた瞬間、
「なんて幸せな音なんだろう。」
そう思いました。
そこから伝わってきたのは、
楽しさ。
嬉しさ。
そして、
「ママ、大好き。」
写真だけでは残せない、生きていた証。
その音も一緒に未来へ残したい。
そんな気持ちで編集しました。
私には、悲しみを消す力はありません。
こころちゃんの想いを代わりに伝えることもできません。
でも、
こころちゃんが生きた証を。
ご家族が歩んできた時間を。
写真一枚一枚に込められた愛情を。
映像と歌という形にして、未来へ繋ぐことはできると信じています。
制作後、
「やっと、本当に顔を上げられます。」
その言葉をいただいたとき、
こころちゃんとの日々、
制作中に読ませていただいた数え切れない想い、
そして完成した歌と映像が頭の中によみがえり、私も胸がいっぱいになりました。
この動画が悲しみを終わらせるものではなく、
これからも一緒に歩いていくための、小さなお守りになれたのなら。
映像を作らせていただいた私にとって、それ以上に嬉しいことはありません。
ママがこころちゃんを選び、
こころちゃんもママを選び、
お二人が歩んできた時間は、これから先も決して消えることはありません。
そして、
写真を見るたび、
思い出すたび、
その場から動けなくなってしまいそうだった時間が、少しずつまた動き始めたのは、
見えなくなっても、こころちゃんがずっと背中を押してくれていたから。
そして、
こころちゃんと歩んできた毎日が、
これからもママを支え、
もう一度前を向く勇気をくれたからだと思います。
まだ涙があふれる日は、きっとあると思います。
それでもどうか、
笑った日も。
泣いた日も。
これからも、ずっと一緒に歩いていけますように。
こころちゃんへ。
そして、こころちゃんママへ。
大切な想いを託してくださり、本当にありがとうございました。
このご縁に、心から感謝しています。